« 2008年10月 | メイン | 2009年02月 »

2008年12月 アーカイブ

2008年12月11日

「グロテスク」桐野夏生



評価:2/5(まあまあ)

2、3年前、ちょっと疲れているときに、「女子校におけるドロドロ」をどこまでも読みたくて買ってみた本。つい最近読む気になって、三日ほど読了。

…うーん、期待した女子校ドロドロがあんまりないのが悲しかった。

私が思う女子校ドロドロは、やってる側はそれほど悪意がなく、一つ一つをみてもそこまでの悪意を感じさせないんだけど、継続して行われるとなんともいえない感じになる、というそんなもの。小説でするとサイコホラーか何かになる。たぶん。

女子校にワクワクし過ぎたせいか、東電OL事件と女子校部分があまり繋がってない印象を受けた。ラストはいつもながら桐野夏生っぽい。事件の解釈としては嫌いではないんだけど、インプレメントが私好みではなかった感じ。

「クライマーズ・ハイ」横山秀夫


評価:3/5(普通におもしろい)

本屋で「映画化」ということで積んであったのと、日航機の事件には前々から興味があったので購入。横山秀夫は「うまいなぁ」と思うものの、私には難解な漢字に惑わされて、作者の描いてるイメージがつかめなかったのだが、「これだけ薄ければ、なんとか!」と思ってトライ。

…敗北しました。

ワクワクして読み進んだんだけど、そのわりにはこう要点というか、作者のイメージするものがつかめない。何でその描写からその描写に行くのかわからないことが多かったので、たぶん、行間の、省略されているところが私には分からないんだろうなぁ、と思う。

日航機墜落の知識が着いたので初期の目的は完遂したと思うんだけど、読み終わって、「そういう話がしたいなら、ここまで大きな題材を扱わなくていいじゃ??」と思ってしまった…。いや、きっと、大きくても小さくても大事なことは大事って、そういう話だと思うんですが、なんかこう胸がモヤモヤモヤモヤ。

何のために山の昇るか、ということも、私には深遠な意味がわからなかった…。あと10年くらいしたらわかるのか、いや組織でこういう「部下を抱えて政治政治」ってやったことのない私には心底の感触は掴めないのか、だとしたら,,周りの人には迷惑な話だが「本を読む為にその体験をしたい」と思った。

「アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない」町山智浩



評価:4/5(オススメ!)

そこかしこで見かけるので購入して読んでみた。

ソフトカバーで正解!こういう本がたくさん出たら、もっと本を読む人が増えるかなー、と思った。コラムだけあってリーダビリティ重視で、すごく読みやすい。あっという間に読めた。

アメリカ社会の宗教や政治、食べ物に経済などなどの色々なトンデモ話がたくさん。でも作者はきっとアメリカが好きなんだろうなぁって思わせるところがいい!マイケル・ムーアもなんだかんだアメリカが好きなんだろうなぁと思う。

ネタになるってやっぱりいいものだなぁ。アメリカは変だと思うけど、変っていうのはネタになるってことで、エネルギーがあるってことだなぁと思った。それってやっぱり魅力だと思う。

知人の「読むとマケインが好きになります」という書評を読んで、「ナイナイ」と思ってたけど、本当に好きになってしまった。オバマさんがが優等生でいけ好かなく思えてくるから不思議である。

「神鳥」篠田節子



評価:2/5

篠田節子ブームで買ったみた本。ブームはもう終焉を迎えてしまったのだけど、ブーム中に買った本なので、ふっと思ったときに読んでみた。あっという間でした。

もっとミステリな感じかと思いきや、意外にホラーでびっくり。しかし、謎は解けたので満足といえば満足。牡丹と鳥にも意外に詳しくなった。

ただ、この内容にしては、読みやすいんだけど説明し過ぎに思えるところが好みではなかった。こういう幻想ちっくなイメージなら、展開についての説明ももうちょっと行間を読ませる感じが好きなのかもしれない。「○○の理由はこういうことで」っていうのは私はあまり書いて欲しくないかも。

「英会話ヒトリゴト学習法」



評価:4/5(オススメ!)

題名と表紙と404 blog not foundでの紹介がおもしろくて購入してみた。作者の人柄に魅了される。

最初から「何故自分がこの本を書こうと思ったのか」と入って、そのままコムズカシク続くあたりから、おもしろい。なんだか論文を読んでる気分になる。まるで偉い人になったようだ。

書いてあることもアルターエゴがどうのこうのだの、形式知だの暗黙知だのいう言葉がバシバシ出て来るのも、図が図がグラフ形式で矢印付きなあたりだのも、なんだか大層な本を読んでる気になって来て、心地よい。

内容も興味深く、例文や例示などが少なくとも「なるほど。こうやってすればいいんだー」と思えるあたりは実によく出来ていると思う。確かに、英語ってなれだから、英語だけでしゃべろうとすればするほど身に付く気がする。日本語訳を補助的に使うときにも「あくまでも言語のイメージ」として使わないとダメになる気がする。

少なくともビジネスで「英語が日本語か」というときは、それこそ「英語文化が日本語文化が」という意味の話であって、「英語で書くべき内容を日本語で用意して」と言われると、たいして英語力のない私でもそのほうが面倒に感じる。…英語文化圏のものなら例文なり例示なりが、まず英語であるから。

まあ、よく考えてみると、関西弁か関東弁かでもそうだ。意識してスイッチなど出来ないし、文化で言うべきことが違う。

たぶん、「仕事で英語」をある程度やっている人なら感覚的には分かるけど、言葉にするのは難しい話を、ここまで薄く、理屈っぽく、言葉にして説明している筆者はすごい、と思う。

「新・都市論TOKYO」隈研吾、清野由美



評価:4/5(オススメ!)

六本木ヒルズとミッドタウンについての隈研吾の評価を読んでみたくて購入。さすが新書だけあって2時間弱でした。

隈研吾の歯に衣着せてないんだけど、それは意識してないだけ、という感じが心地いい。イタリア街の「イタリアにしてしまっただけに寒々しい感じが」には爆笑してしまった。もう少し彼の本を読んでみたいかも。

汐留の個々のビルの評価がそれほど低くないのに、驚いた。個々のビルのポテンシャルより、圧倒的に悪いオーガナイズにすべてが台無し、という論調。言われてみればそうかも。そして、それが日本の問題かも。日本軍すごいコピペでも「何でその日本軍が負けたのかがミステリー」とあるけど、そのミステリーをどうにかしないことには日本は負け続ける気がする。そしてそれはたぶんミステリーでもなんでもなく、船頭多いだけでは。

六本木ヒルズのエピソードにはびっくりした。ちょっと六本木ヒルズと森稔が好きになった。「彼は芸術家」という表現がすごい。確かに社長が芸術家なんですよ、と言われれば、それはそうかもな、という気がする。…芸術家でもないと、あのヒルズを一から用地買収なんて考えない。リンカネーションはおもしろい。

ミッドタウンは…読んでみて思ったんだけど、あそこはものすごくキレイなんだけど中身がない気がする。入っているテナントや歩いてる人にあってないような。入ってるテナントは外身より一段落ちる感じだし、統一感もあまり感じない。歩いてる人は私たちを含めウインドウショッピングをしているだけで観客のよう。それでいて外身が主人公というわけでもない、あくまでも品のいい脇役というように見える。

丸の内は、歩くのにいいし、また行きたいなあって思うけど、「だから?」という感じ。三菱は身の丈が分かっているという表現はその私の感覚をまさに言ってくれているようでおもしろかった。

特に大きな結論があるわけではないと思うけれども、これからの町づくりや東京を考えるうえでおもしろい視点を学べて良かった。